野菜の味は水のやり方で変わる|時期や種類によって水の与え方を変える

収穫した野菜の味は、水の上げ方で変わる

家庭菜園をやられている方でも、うっかり水やりを
忘れてしまい、枯らしてしまった経験や、逆に、
水をやりすぎてしまって根腐れしてしまったという
経験をしたことがある人も多いのではないでしょうか?

夏頃には例年、とても暑い日が続きますので、
人間が熱中症になるのと同じく、いつも炎天下に晒されている
植物は、蒸散が増え、根が土から水をより吸収するようになります。

元々、夏は土から水も蒸発しやすく、土が乾燥しやすいので、
夕立のない日には、夕方にも水を上げる必要があります。
枯らさないように十分、注意したいですね。

水やりは、当然、植物を育てるために必要な手入れの1つですが、
その意味は、単に植物が生きるためだけではなく、
その植物の栄養や、味にも大きく関わりがあるのを御存知ですか?

みかんやトマト、プチトマトなんかの場合には、
少し土を乾燥気味に育てると、甘く美味しくなると言われています。

その理由は、水分を吸収しにくくすることで、糖分が増えることに
あります。根が浸透圧を利用し、水を吸収していることと関係して、
糖分は増えるといわれています。

根にある水には、各細胞に与えるための糖分が溶け込んでいます。
土の中にある水よりも濃度が高い状態なので、その濃度差をなくすため、
浸透圧より土の中の水が根に入り込みます。

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こうすることで水を吸収していますが、水分量が少なくなってくれば、
浸透圧では吸える水分量が少なくなってしまいます。

より多くの水を吸収するには、高い浸透圧が必要なため、甘い糖分を
多く蓄積するようになり、結果的に甘い作物が出来上がるのです。

もう1つの理由は、栄養が濃縮されることにあります。
水分量が少ないと、それだけ植物の成長は遅くなりますので、
大きくなるまでに時間がかかる分だけ、栄養を蓄えることが出来ます。

実の部分は、小さくなりますが、その分栄養もたくさん含まれます。
みかんも小さなサイズが甘かったり、トマトもフルーツトマトは小さいですよね。

しかし、水やりを制限すればなんでも美味しくなるかというと、
そうではありません。例えば、茄子なんかは元々ほとんど栄養がないため、
水やりを制限しても、味はあまり変化がありません。

でも、皮のツヤは水やりの制限により悪くなってしまうため、
実が小さく形も崩れてしまうだけでなく、収穫量も少なくなります。
茄子は、水やりは制限しないほうがいいですね。

またシシトウなどの野菜の場合、水やりを怠ってしまえば、
カプサイシンという辛味成分をたくさん作ることになってしまうので、
唐辛子のようなシシトウが出来上がってしまいます。

水やりの量は、野菜に応じて変えていくのが理想ですね。

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この記事を書いた人
こう

脱サラしてやりたかった農業に就農しました。
半農半IT生活を楽しんでいます。

経歴
大学院農学研究科修士課程を卒業
種苗会社で農場長をつとめ、野菜苗の生産
農業資材販売会社で肥料、農薬などを農家に販売
脱サラして就農

取得した資格
緑の安全管理士
野菜ソムリエ
施肥技術シニアマイスター
土壌医2級
JGAP指導員
毒劇物取扱者

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